2022年6月24日

2022年6月24日

三笠幼稚園

 私は小学校2年生まで決められた時間内に食べるのが大変でした。通っていた学校のご飯は長方形のかたちをしたアルミパックにあらかじめ一人分が準備されているので量が皆と同じです。私にとっては多いと感じていて時間との闘い、おかずとのバランスをいつも考えていました。時間内に食べられないと先生に怒られて残っているものを一つの器にまとめられ、全部食べ終わるまで給食室で食べることになってしまいます。私は昼休みにとにかく遊びたかったので頑張っていましたが、食べきれずに連行されることがありました。中には、ほとんど毎日給食室行のクラスメイトがいました。

ある日、担任の先生が出張で代わりの先生が来てくれました。その先生は教務主任でクラスをもっていませんでした。先生は給食の時間も一緒に過ごしてくれました。給食の時間が残り少なくなってきたときに、お箸が進んでいない友達のところに行くと「おにぎりにしよう」と言って、塩を少々ふっておにぎりにしてくれました。ご飯はおにぎりに変身して食べやすくなりました。残っていたご飯のパックも、先に食べ終わっていた友達がおにぎりにしてもらって分け合い、さらに他のクラスで残っている分までもらってきて全てたいらげてしまいました。

残り時間が迫っていても先生は「大丈夫だよ」と声を掛けて、食べるのが遅い友達を最後まで応援していました。時間内に皆が食べ終わり、もちろん先生に怒られることもなく昼休みを迎えることができました。私は先生のことが好きになりました。家に帰って母に給食のことを話すと笑いながら「お腹一杯に食べることができるのは本当にありがたいね」と言いました。先生は本当の塩の力も借りたけれど、一工夫でみんなを楽しませて、残さないで食べることができるような味をつけてくれました。思い出しながら学ぶところがあります。時を超えている方が与えてくださった心と命には、時を超える輝きがあることを。

宗教主事 祖父江 優太

2022年6月27日