2022年2月25日

2022年2月25日 

三 笠 幼 稚 園

 春の訪れをだんだんと感じられるようになり、新しい出発が近づいています。パンデミックが宣言されてから2年、あらゆるディスタンスがすっかり定着してしまいましたが、心は近くに共にあり続けたいところです。聖書の一つの場面にはイスラエル民族の最初の人と言われるヤコブが登場します。彼は追い詰められて不安に苛まれているときに夢を見ました。夢の中で梯子をのぼりくだりする天使を見ている『ヤコブの夢』は、画家M・シャガールの有名な作品になっています。夢で聞いたのは神さまの声でした。「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない」(創28・15)。眠りから覚めたヤコブは「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった」(創28・16)と言いました。気づかないときにも神さまが共にいてくださったことが分かったのです。ところで、イエスさまは「神は我々と共におられる」(インマヌエル)と呼ばれる方としてお生まれになりました(マタイ1・23)。聖書のさまざまな場面によるとイエスさまは、病気で神さまや人との関係がもてなくなってしまった人たち、傷ついて悲しみにある人たち、苦しみにあって自ら神さまの前に立つことができない人や、ゆるされない存在だと思って心を閉ざしてしまっている人と出会い、神さまが共におられる真実をはっきりとお示しになられたのです。十字架の苦しみと死にあってもわたしたちから離れることなく、復活なさった後に「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28・20)と明言されました。ヤコブの夢のようなかたちもありますが、イエスさまの言葉はわたしたち一人ひとりに向けられています。「神は我々と共におられる」と呼ばれる方としてお生まれになった方は、ご自身をもってわたしたちの心に共にいてださるのです。この恵みのうちにありながら、わたしたちも自分にとって大切な人のどこまでも共にいる存在であり続けたいとあらためて思います。

宗教主事 祖父江 優太 神父

2022年2月28日