園だより

宗教主事および園長のことば

2023年2月27日

2023年2月27日

三笠幼稚園

寒暖差の中に、春の訪れを感じる今日この頃となってまいりました。また、春は旅立ちの季節ともなり、今年は38名の卒園児が旅立ちます。三笠幼稚園は、神奈川県横須賀市でただ一つのカトリック幼稚園として、地域の皆様に愛されて1953年の創立以来、4300名を超える卒園生が巣立っています。今年の卒園児の未来が明るいものとなることをお祈りしたいと思います。

今年度は、幼稚園バスの園児置き去り、保育士による園児虐待報道など、子どもを取り巻く環境での心痛む事故・事件がありました。三笠幼稚園でも、そのたびに、職員でも話し合い、確認を行ってまいりました。時代の移り変わりとともに、社会生活も変化してきました。しかし、次の世代を担う、明るい希望である子どもたちの笑顔を守ることは、今も昔も変わらない、世界中の希望でもあります。幼稚園で先生やお友だちとかかわり合い、それぞれの成長を促し、子どもたちが自己肯定感を持って、自分の持つ力(才能)をほかの人のために使うことができる、充実した人生を歩むことができますよう、ご家庭と協力し合いながら進めてまいります。

昨年4月に園長として就任し、ご迷惑やご心配をおかけすることも多く、申し訳なく思うとともに、温かいお言葉をかけていただくこともあり、保護者の方の温かいお気持ちがとてもうれしかった一年でした。これからも研修を重ね、よりよい教育活動を展開していくことができるよう職員一同頑張りたいと思います。              

2022年度のご協力に感謝するとともに、2023年度も、三笠幼稚園に来てくださる子どもたちとの出会いを大切に、その成長をご家庭とともに見守っていきたいと思います。これからもご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。

園 長  峯岸 保江

2023年3月1日

2023年1月25日

2023年1月25日

三 笠 幼 稚 園

朝のリレー

私は朝弱いので、起きようと決めた時間よりも30分前から段階的にアラームを設定しています。一度目が覚めても残り少ない時間を思いっきり寝てしまうかベッドの中にそのままいる、目覚めが良いときにはすぐ起きる、残念ですが譲れないルーティンです。朝の時間にワクワクするのは、ごミサや祈りをささげているときに『朝のリレー』という谷川俊太郎さんの詩の中にあるような「この地球ではいつもどこかで朝がはじまっている」ことを意識させられる瞬間。リレー競技のバトンや駅伝のタスキを受け取ったような重みがなく、朝になると今日を始めていく流れに自然と繋げられながら抱くトキメキです。

眠りから覚める顔はそれぞれ。地球がまわっているから何処かで朝は常に迎えられていて、やさしい気持ちや前向きな一日のスタートが巡っていたら良いなと思います。しかし、目を背けたくなるような現実を伝える数々のニュースが飛び込んでくると、安心して朝を迎えるのは当たり前のことではないとあらためます。私に寸分の狂いなく人の苦しみや痛みを想像することは勿論できず、持ち合わせている経験や知識はぜんぜん足りていません。限られた情報からも至らないのは自明のことですが、自分には何も出来ないと済ませてしまう話でないと呼び覚まされる感覚があります。

わたしたちは大切な人や身近に関わる人のため、それから見ず知らずの人のためにも祈ることができます。自分のことよりは、互いにお互いのことを祈るところに通ずるものがあるのです。かしこまっていなくても気持ちが込められていると祈りになっていることも。もはや朝だけの話ではなくなり、自分が起きていても眠っていても常に世界の何処かで誰かが皆のために祈っていることには励まされるものです。危険や不安が隣り合わせで眠ることもままならない人、夜中働いて空が明るくなってから寝床につく人と様々。何に目覚めているのか。一人ひとりの存在を知り心を込めることが、ともに生きていることを確かにしてくれます。                          祖父江 優太 神父

2023年1月27日

2023年1月11日

2023年1月11日

三 笠 幼 稚 園

新年あけましておめでとうございます。

2023年が、皆様にとって素晴らしい一年となりますようにお祈りいたします。

新しい一年が始まりました。冬休みは、ご家族で楽しいひと時をお過ごしになられたことと思います。この数年はなかなかお会いできなかった方との再会などもあった事かと思います。子どもたちにとっては、もしかしたら、電話や、写真だけでしかお会いすることのできなかった方にやっとお会いすることができたかもしれませんね。そのような場はいろいろなことを学ぶよい機会であったと思います。これからも、気を付けながら、少しずつコロナ前のような毎日が過ごせるようになると良いですね。

さて、2022年度も残すところ、三か月となりました。子どもたちの一年の成長は、素晴らしいものがあります。入園した時には、身支度にも先生のお手伝いが必要だったお子さんも、この数か月で、自分でどんどん進めることができるようになったかと思います。お友達と遊ぶことを楽しみに幼稚園に来ることができるようになっている子ども。子どもたちの「できた!」は、次の成長への励みになっていきます。ぜひ、「すごいね。」「がんばったね。」と受け止め、一緒に喜んであげてください。そして、親子でいろいろなことを一緒に経験し、乗り越えていくことで、子どもたちには、できる力を、周りの人のために使えるやさしい心が育っていくことと思います。

 残り僅かの2022年度ですが、まずは元気に登園したくさんの思い出を作ってほしいと思います。そして、4月には自信をもって進級・進学できるように、子どもたちを見守っていきたいと思います。今年もご理解とご協力をお願いいたします。

園長 峯岸 保江

2023年1月11日

2022年11月25日

2022年11月25日

三笠幼稚園

クリスマスの平和によってわたしたちが照らされ、希望を新たに新年を迎えることができますように。
今年はサッカーのワールドカップが開催されています。20年前、日韓ワールドカップのときに私は小学生で地元は日本代表のベースキャンプ地として盛り上がりました。代表選手たちを間近にしたときの感動と応援に燃えたことが私の記憶にあります。サッカーには蹴るサッカーと繋ぐサッカーがあるといっとき言われていたように、選手それぞれの個人技やチームワークがないと成り立たない細かいパス回しに惹きつけられます。イレブンがお互いの意図を汲み取りながらチーム全体として連動し、さらに長所を生かし合うことで生まれてくる新たな強み、応援を含め一丸となる大きな力を感じます。
さて、毎年世界中でたくさんの方がクリスマスをお祝いします。イエスさまがわたしたちの間に来て下さったことを深めたときに見いだす様々な意味。そこには、内的な平和と照々たる喜びがあります。神さまがわたしたちを愛で包んでくださり、イエスさまが人として来られ一緒に歩んでくださる素晴らしさがあるからと思います。幼子として救い主がお生まれになりました。いのちは誰かと繋がっていなくては生きていくことが出来ず、神さまとの繋がりを新たにしてくださるイエスさまがわたしたちの間に住まわれます。ここには常に希望があるのです。
わたしたちは毎日を過ごしている中で期待を膨らませながらも裏切られたと思うようなことに向き合わされます。身近なことから、終息に至らない感染症、先行き不安、国と国の争い…。それらは関係を切り離していく動きです。でも、わたしたちには希望があります。神は我々と共におられる方として来られたイエスさまが繋いでくださるのは、父である神さまの御心。すべての人は神さまにとって大切な存在であるということをイエスさまが輝かせてくださいます。そして、十字架と復活により神さまの永遠にわたしたちを繋いでくださったのです。
イエスさまのことをよく知らなくとも喜ばしく思うのは、平和のおとずれと福音的な思いやりが広がるこの時季にあってのことと思います。たくさんの人たちが体験するワクワク感はイエスさまからの特別なプレゼントかもしれません。期待とは異なり、希望は常に神さまから与えられているのです。わたしたちがいただいている大切なことを思い起こしながら、よいクリスマスと新年になるように過ごしたいと思います。

祖父江優太 神父

2022年12月2日

2022年10月25日

2022年 10月25日 

三 笠 幼 稚 園

 

  秋の気配も深まっておりますが、幼稚園では、外遊びの心地よい季節となってきました。登園時には色の変わったきれいなはっぱを見せてくれる子どももいます。遊びの中で、親子で季節を感じて楽しんでください。

また、10月8日の運動会では、天気予報では開催が難しいと思われましたが、前日は雨が降ったものの、子どもたちのお祈りが届いたかのように、開催することができました。子どもたちのがんばってきた姿・かわいらしい姿を直接見ていただくことができ、うれしい気持ちでいっぱいです。ご家庭の皆様にとっても、思い出に残る時間となったことと思います。

 カトリック幼稚園では、11月に入ると、クリスマスに向けての準備が始まります。

イエス様のご降誕をお祝いするクリスマス。プレゼントをもらう楽しいクリスマスも子供時代の楽しい思い出ですが、困っている人や、苦しんでいるお友達が安心してクリスマスを迎えることができるよう、考えていけると良いですね。

 コロナ感染への不安は尽きませんが、幼稚園では、手洗い・消毒をし、気を付けてまいります。また、登園前に検温していただき、体調の確認をしっかりとしていただきたいと思います。特にお子さまが発熱された場合は、解熱後24時間はご家庭で様子を見ていただき、心配がないことをご確認されてから登園をさせてください。本人や、ご家族に感染された方がいる場合は、幼稚園にも連絡をいただき、しっかりとお休みをしていただけるよう、引き続きご理解と、ご協力をお願いいたします。

 また、令和5年度の園児募集の時期を迎え、ただいま願書を配布しております。お近くの方に対象の年齢のお子さまがいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。

園長  峯岸 保江

2022年10月31日

2022年9月26日

2022年9月26日                        

三 笠 幼 稚 園

 8月の下旬から山手教会の聖堂が改修工事が進み、マリア様の御像の前には仮囲いの柵が広がりました。工事は来年の春頃までの予定と伺いました。教会の聖堂と私の住んでいる建物の間にマリア様の御像が立っているのでお祈りに来る方をよく見かけることがあります。御像の裏から正面に辿り着くことができますが、離れたところからマリア様に向かってお祈りをしてる方がいました。その方は毎朝のようにいらっしゃる方でして、裏からの行き方を私が伝えるとご存じなかったようすでした。マリア様が私たちのそばにいてくださることをを知りながらも、目に見える壁があると少し寂しい気持ちになってしまいます。私の幼い頃の記憶には、マリア様の御像の前で涙している人がいたので気になり、どうして涙しているのかという私の思いや感情が自然と祈りに変えられていった出来事がありました。教会がマリア様を人間とかけ離れた存在として捉えるのではなく人間的側面を強調していることからすると、同じ人としての体験を持ち合わせながら私たちのことそっと見守り、取り次いでくださっていると思います。「マリアは単に受動的に神に用いられたのではなく、自由な信仰と従順をもって人類の救いに協力した」(第二バチカン公会議公文書LG56)。マリア様がイエス様のお母さんになることを受けたのは、わたしたちの救いのためという神さまの望みにご自分の自由意思で協力した意味がありました。そして、どのような状況であっても、神様のことばを聞いて行う生き方にはよろこびがあることを示されます。イエス様が引き渡され十字架につけられるとき、マリア様は近くにいました。わが子と苦しみをともにし悲しむ様子が様々なところで描かれています。イエス様の弟子たちが逃げたときにも十字架のそばにいて離れませんでした。無原罪のマリア様だから苦しまなかった、そのようなことはないと思います。マリア様の一人の人としての姿は、ただ美しく守られたものではありませんでした。でも、神様の御心を第一にしていたこと、信じる者として神様にいつも心を開くことで満たされていました。私たちの理解を超えることがおとずれたとしてもマリア様を思い起こし、神様への信頼を支えていただけるように取り次ぎを願いたいと思います。

                                                宗教主事  祖父江 優太 神父

2022年10月4日

2022年9月1日

2022年 9月1日       

                  三 笠 幼 稚 園

 

  長く、熱い夏休みが終わりました。ご家庭では、お子さまと楽しい思い出がたくさんできたことと思います。7月の終業式では「挨拶」「お手伝い」についてお話をしましたが、いかがだったでしょうか?例年、保護者の方は、思い出に残るようたくさんのお出かけなど計画していただいたかと思います。もちろん子どもたちも楽しいのですが、子どもたちに夏休みの楽しかったことを聞くと、意外と家で家族で遊んだことや、近くの公園の話が出できます。大人は、イベントに楽しさを見つけてしまいがちですが、子どもたちは日常の楽しさをちゃんと知っているのですね。コロナ禍にあって、普通の毎日を過ごせることの難しさを感じますが、今が普通の子どもたちは、そのような中でも、ちゃんと成長し、楽しむ力があります。私も見習わなくてはいけないと、気づかされます。

夏休み中も、暑さや災害・事故でたくさんの方が亡くなりました。悲しみや苦しみの中にある子どもたちのことにも、目を向け、思いを寄せることができると良いと思います。神様から与えられている「ちから」を、自分の為だけでなく、困っている人のために使うことができる。そんな人になってほしいと思います。ご家庭でも、今の生活への感謝や、「命」の大切さについて考えてみてください。

 また、園児募集のためのポスターを作りました。お知り合いに対象の年齢の方がいらっしゃいましたら、お遊び会も再開いたしますので、ぜひお声をかけていただければと思います。ポスターにつきましては、お近くなどで、掲示できるところがあればお願いしていただけると助かります。外等で、ラミネート加工をしたもののほうが良い場合は、幼稚園までお知らせいただけばお渡しをいたしますので、お声掛けください。

 コロナ感染への不安は尽きませんが、幼稚園では、引き続き手洗い・消毒をし、気を付けてまいります。また、登園前に検温していただき、体調の確認をしっかりとしていただきたいと思います。本人や、ご家族に感染された方がいる場合は、幼稚園にも連絡をいただき、しっかりとお休みをしていただけるようご理解と、ご協力をお願いいたします。

園長 峯岸 保江

 

2022年9月2日

2022年6月24日

2022年6月24日

三笠幼稚園

 私は小学校2年生まで決められた時間内に食べるのが大変でした。通っていた学校のご飯は長方形のかたちをしたアルミパックにあらかじめ一人分が準備されているので量が皆と同じです。私にとっては多いと感じていて時間との闘い、おかずとのバランスをいつも考えていました。時間内に食べられないと先生に怒られて残っているものを一つの器にまとめられ、全部食べ終わるまで給食室で食べることになってしまいます。私は昼休みにとにかく遊びたかったので頑張っていましたが、食べきれずに連行されることがありました。中には、ほとんど毎日給食室行のクラスメイトがいました。

ある日、担任の先生が出張で代わりの先生が来てくれました。その先生は教務主任でクラスをもっていませんでした。先生は給食の時間も一緒に過ごしてくれました。給食の時間が残り少なくなってきたときに、お箸が進んでいない友達のところに行くと「おにぎりにしよう」と言って、塩を少々ふっておにぎりにしてくれました。ご飯はおにぎりに変身して食べやすくなりました。残っていたご飯のパックも、先に食べ終わっていた友達がおにぎりにしてもらって分け合い、さらに他のクラスで残っている分までもらってきて全てたいらげてしまいました。

残り時間が迫っていても先生は「大丈夫だよ」と声を掛けて、食べるのが遅い友達を最後まで応援していました。時間内に皆が食べ終わり、もちろん先生に怒られることもなく昼休みを迎えることができました。私は先生のことが好きになりました。家に帰って母に給食のことを話すと笑いながら「お腹一杯に食べることができるのは本当にありがたいね」と言いました。先生は本当の塩の力も借りたけれど、一工夫でみんなを楽しませて、残さないで食べることができるような味をつけてくれました。思い出しながら学ぶところがあります。時を超えている方が与えてくださった心と命には、時を超える輝きがあることを。

宗教主事 祖父江 優太

2022年6月27日

2022年5月25日

2022年 5月25日

三 笠 幼 稚 園

 4月に幼稚園が始まり、2か月が過ぎました。4月に泣いていた年少さんも、泣かないで登園できるようになってきました。この2か月で、朝おうちの方に「行ってきます。」をしても、必ずおむかえにきていただけること、幼稚園で、先生との信頼関係もつながってきたりする中で、思い思いに遊ぶ姿が見られるようになりました。子どもたちそれぞれの成長を感じるようになってきました。

カトリック幼稚園では5月を「マリア様の月」としてマリア様の集いが行われます。幼稚園でも、担任の先生と、マリア様のお喜びになる心についてのお話をして、心の準備をしています。ご家庭でもお子さまとお話をしてみてください。

 さて、今年度より幼稚園での体操服へのお着替えを始めました。まず年長組だけですが、5月末より年中さんもお着替えを開始いたします。おうちの方にとっては、忙しい毎日の中とは思いますが、ぜひご家庭でも確認し、できないときは教えてあげてください。すべてを大人にゆだねていた赤ちゃん時代から、自立へと向かう幼児期。身辺自立は心の自立も促します。お忙しい毎日、時には時間もかかることですが、親子で、できないことを一緒に取り組み、乗り越えていく経験を大切にしてください。幼稚園時代におうちの方と一緒にたくさんの経験をすることで、成長していくときの様々な困難を乗り越えていく力が育っていきます。

さて、これから迎える6月は、梅雨の季節として、雨の日も多いことと思いますが、体調にも気を付けながら季節を楽しめるといいですね。まだまだ、新型コロナウィルス感染症への心配は尽きませんが、6月も元気に登園できるよう、体調管理にご協力をお願いいたします。

 

 園長 峯岸 保江

2022年6月27日

2022年4月25日

2022年4月25日

                      三 笠 幼 稚 園

 4月の満月は「ピンクムーン」と呼ばれ、今年は4月17日の3時55分。天気予報によると、月がピンク色をしているのではなく、あたたかくなってきて花々が開くことから名づけられたムーンネームということです。その前日の夕方、ミサが始まる前でしたので私は教会で月の出の時間帯に大きな月を見ることができました。特別な日でして、日没後には各地のカトリック教会で復活の聖なる徹夜祭が行われていました。イエス・キリストのご復活を記念してささげられるミサのことです。毎年、春分の日の次の満月の後の日曜日が復活祭(イースター)と定められています。クリスマスのように同じ日にお祝いする祭日ではないのです。イエスさまのご復活は、教会に集う人たちの信仰の中心になっています。イエスさまのご復活の出来事は神さまの御業であり人間に出来ることではないのですから、わたしたちには理解するのが難しいところであります。イエスさまの弟子たちも近くにいながら、ご復活のことがすぐに分かりませんでした、それから、目の前の大切な人が失われたともなれば、心に穴が開いたかのように気持ちが何もついていかなくなってしまうことがあるわけです。弟子たちはイエスさまが教えてくださることや言っていることを弟子たちなりに知りたいと努めていましたし、イエスさまの愛について今は分からないけれどイエスさまのことが大好きでもっと一緒にいたかったのだと思います。そんな方が目の前からいなくなってしまったのです。わたしたちにも、大切な人を失ったり自分にとって受け入れられない出来事を前にしたときには、この悲しみや苦しみを抑え込もうとしたり何とか落ち着かせようとします。元気が出ないし虚しさを感じてしまったり、なかなか前向きになることができずにいるのは無理ないことです。逆に、自分にとって本当に大切な存在だし大切なことだからと言い換えることが出来ます。自分の理解で消化しようとする弱さがわたしたちにはあるのです。そんなときに、イエスさまは全てを受け入れてくださいます。ついていけない弟子たちをイエスさまは受け入れて、弟子たちのペースを理解しながら優しく信じさせてくださいます。復活のイエスさまは直接関わってくださるのです。弟子たちはまるで生まれ変わったかのように元気と力強さがみなぎって、生き生きとした姿になりました。イエスさまを伝える者となっていったのです。いのちの躍動を感じさせてくれるこの季節、神さまの守りがあることに力づけられて過ごしたいと思います。

                                                      宗教主事 祖父江 優太神父

2022年5月24日
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